2014年3月30日日曜日

2014春 大万木山

 2月に大雪で行くことができなかった大万木山に行ってきた。
三叉路のカール

①日時:2014.3.29(土)
②行先:大万木山(滝見ルート~渓谷ルート)
③メンバー:Y,Mt,I
④行動記録:
駐車場(7:50)→避難小屋(8:25)→(10:00)大万木山(11:00)→分岐(11:40)→駐車場(13:10)
⑤行動概況:
車を門坂Pに止めて出発する予定だったが,手前の三叉路がカール状態で雪がてんこ盛りになっていた。しかも,倒木も有り,雪が無くても通行できない状況だ。
山頂で
邪魔にならない場所に車を止めて出発する。倒木を過ぎてからは道路に雪は無く乾いていて,登山口にも全く雪は無かった。標高が高くなると徐々に残雪も現れてきて,途中の避難小屋を過ぎると青空になってテンションが上がる。一応ワカンも持ってきたが,装着する事無く山頂避難小屋に着いた。ラーメン食べてコーヒー飲んで,ちょっとしたロープワークの練習をしていたら,あっ!という間の1時間が経過した。山頂大ブナ(通称タコブナ)を見てから下山した。下山後には「頓原ラムネ銀泉」で汗を流す。
1人500円(モンベルカード割引で本人100円引き)

2014年3月28日金曜日

2014春 烏ヶ山

今シーズン最後の宿題の一つ,烏ヶ山が残っていた。知ってか知らずか,代表Sより「烏ヶ山を誰も登らないルートで行くぞ」と誘いを受ける。深い愛情を感じた。何十回と天気予報を見返しても天気予報は曇り。木曜日に晴れはないのか?最後の最後まで使わずに残しておいた休暇を使い,名もなきルンゼをルンルンで駆け上がってきた。
烏ヶ山本峰を望むS,Mk,Mi
①日時:2014.3.27(木)
②行先:烏ヶ山
③メンバー:S,Mi,O,Mk
④行動記録:
鏡ヶ平取り付き(8:20)→ブナの大木の跡(9:30)→眉山からのコル(9:45)→名もなきルンゼ(10:25)→前衛峰稜線(10:30)→前衛峰(10:50)→(11:10)烏ヶ山本峰(12:00)→新小屋峠分岐(12:10)→取り付き(13:30)
⑤行動概況:
御苦労さまでした
朝,薄明るくなった空に星が一つ見えた。かすかな希望を持って車を大山方面に走らせる。日野川を越える橋を通る時,天気が良ければ大山が飛び込んでくる。今朝の大山は濃いガスがどんよりと空まで続いていた。取り付きから雪原をゆっくり上がり,ブナの大木の跡を見る。「一抱え100年」ということをMiに教えてもらう。200年は生きていたことになるのだろう。200回も,この厳しい冬を越してきたかと思うと「御苦労さまでした」という言葉以外思い当らない。しばらく行くと,眉山からの尾根とスパッと切れ落ちる「蛇谷」と出会う。そこから烏ヶ山より派生する急傾斜な尾根を上がっていく。息が上がったころ,名もなきルンゼに出会う。ここまでは雪質は柔らかい。濃いガスが日差しを遮るので気温が上がらない。そのせいもあるのか,ここも表面は柔らかいが,深くステップを切ると15cmほどの深さに,トゥーが「サクッ」と決まる雪がある。木も枝も岩もなく,急傾斜な雪の壁のみが続いている。見上げても終了地点はガスで見えない。ピックが刺さる音,ステップが決まる音,交互にリズムを刻む音に,息遣いがシンクロする。先にも気持ちを置かない。後にも気持ちを置かない。今のワンステップに集中し,ピックとトゥーに気持ちをそっと置く。最高だ。
名もなきルンゼを上がる
前衛峰の稜線と出合うと,ここでアイゼンを着ける。ここからは,岩と雪,痩せ尾根と藪漕ぎのミックスとなる。踏み抜きも多くあり,スノーブリッジとなっているところは,四足歩行で進んだ。力が分散し私の重みでも踏み抜かなくて済むのだ。本峰に立ち景色を見渡せども視界は不良。ガスが視界を狭めるのも気にせず,来た道を下りて行く。新小屋峠の分岐に来た時,Sが「こっちだ」と言った。GPSも見ずに,この分岐をこのガスの中で言いあてられる人は少ない,さすがだ。この尾根は最初は急だが,すぐに穏やかになり快適になる。快適になると同じくして,日が射し,雪に映る雲の影が流れているのがわかった。あわてて,烏ヶ山を振り返ると,クールなブルーに純潔な白,むき出した岩の質感コントラストが飛び込んできた。さっきまで,ガスの中をもがいていた山が,こんなにもアルペンチックで美しいとは・・・ 木曜日の晴れは特に美しいと思った。最高の山行きとなった。
日本は古くから,芸や技を伝えるために「見習い」,「口伝」によって受け継がれているものが多くあります。YCCは,そういう所がある。良さだと思う。受け継ぐ私たちは,出来るだけ長い間,楽しく,健康で,安全に一緒に登れることを心より願っています。
さあ,次は三鈷東谷ですね!よろしくお願い致します!

2014年3月23日日曜日

2014春 烏ヶ山南西尾根

本峰(烏ヶ山山頂)
のんびり,ゆっくりと案内したら?5人のパーティになった。最近のYCCの山行は賑やかになり,独りで山に行く機会も減った。気の置けない仲間と最高の春山を堪能しました。南西尾根はトレースなしの我々だけで,烏ヶ山を独り占めした気分だった。約束通りゆっくり?歩き,9時間行動になったが,時間を感じないくらいの気持ちの良い山でした。

①日時:2014.3.23(日)
②行先:烏ヶ山南西尾根
③メンバー:T,Y,N,I,O
④行動記録:
奥大山スキー場(8:00)→南西尾根取り付き(9:00)→(12:30)稜線(13:00)→烏ヶ山(13:30)→奥大山スキー場(17:00)
1201mピーク(正面の南峰と本峰を目指す)
⑤行動概況:
どんぐりに6時半に集合し,奥大山スキー場に向かう。奥大山スキー場Pで出発準備をしていると,登山靴を忘れたことに気づく。躊躇なく,メンバーには先に出発してもらい,自宅に靴を取りに帰る。前回の烏ヶ山南西尾根でも靴を忘れ,撤退したが今回は是が非でも行かねばならない理由が私にはあった。
1時間で奥大山のスキー場に舞い戻り,無線で確認すると,彼らは,リフト終点まで行っており,これから南西尾根に取り付くとのこと。
支稜に出るためトラバースするO
私はリフトを乗り継ぎ,追いかける。私だけ,のんびり,ゆっくり登山ではなくなった。なんとか1201mピークで追いついた。
南西尾根は尾根を行ったり,ショートカットでトラバースしながら進む。斜面は場所によっては,急斜面,硬いシャーベット上の雪になっており,初心者Iのためロープを出す。
稜線直下の急斜面は左に回りこみ支稜を登り,南峰と本峰のコルに出た。
コルまでもう少し(左は本峰)

10人ほどのパーティが本峰を下ってきたので,コルで,彼らが通り過ぎるのを待ち,本峰に立った。
帰りはコルからの斜面を下り,適当な所で懸垂下降し(懸垂下降する必要はなかったが練習かな),南西尾根に戻り,奥大山スキー場に帰着した。


介助懸垂やってみた




⑥その他:
・小規模の表層雪崩を何回も見ることはできた。
・介助懸垂をやってみた。
・スキー場ではシリセードで気持ちよく滑った。

2014年3月21日金曜日

2014春 三鈷峰(元谷上部で撤退)

元谷上部
一昨日の例会で三鈷峰山行の計画が持ち上がり,行ってきた。天気予報では雪マーク。無事,たどり着けるだろうか?

①日時:2014.3.21(金)
②行先:三鈷峰(元谷上部で撤退)
③メンバー:Y,Mt,O
④行動記録:
駐在所(7:15)→元谷(8:35)→駐在所(11:15)
雪洞掘りとツェルト準備
雪洞の中は快適だった(^O^)


⑤行動概況:
前日,登山届を作っていなかったので,大山寺駐在所で登山届を書いて出発した。歩き始め早々,霰が降り始める。「霰は積乱雲が降らせる」とOが教えてくれた。大山寺手前の道路から誰も通っていない。昨日の積雪でラッセル状態になりOとMtに先頭を歩いてもらう。大神山神社奥宮,元谷へと足を延ばすが,元谷を過ぎたところで,再び霰が降り始める。そして雷が鳴り始め,徐々に間隔が短くなるし,ガスもひどくなり泣く泣く撤退をすることにした。
その後,9:00ごろから元谷堰堤付近で「スタンディング・アックス・ビレー」「雪洞作り」「ビーコン操作」の練習をして雪洞の中でコーヒータイム。雪洞の中は思いのほか暖かいと感じた。霰はやみ,雷も鳴りやんだが時間も気力も無くなり,そのまま帰ることになった。
山行は中止したが,今日も良い勉強になり充実した1日だった。
 

2014年3月17日月曜日

2014春 比婆山縦走スキーツアー

山に春がやってきた。雪が溶け,湿った土,笹が顔を出している。今シーズンの宿題に「スキーツアーの計画を立てる」という大きな宿題が残っていた。どうせなら,登り応えのある山に行きたいと思う。天気は最高。雲ひとつない比婆山を縦走してきた。
出雲峠付近・スキーに最高
①日時:2014.3.17(月)
②行先:比婆山
③メンバー:Mk(単独)
④行動記録:
県民の森公園センター(7:30)→出雲峠(8:00)→烏帽子山(8:45)→比婆山御陵(9:05)→池の段(10:00)→立烏帽子山(10:20)→公園センター(13:00)
⑤行動概況:
烏帽子岩と吾妻山
六の原から道標に従い,出雲峠を目指す。公園センターからしばらくの間,道に雪が無い。スキーブーツでアスファルトを歩くのもこれもまた良い。しばらくすると雪道が出てくる。雪は柔らかくなっているが,あまり沈まない。トレースの無い林道を選んで烏帽子山にでる。この登りはきつかった。中国山地の名山が顔を並べる景色は爽快である。吾妻山に後ろ髪をひかれながら,比婆山を目指す。小ピークはカットして御陵まで上がる。シールもつけたままである。御陵を素通りして,林道を下っていく。今年始めたスキーは下りも楽しくなってきた。そこそこの登り返しをターンしながら池の段に到着する。ここからの景色は最高だった。雪の着く道がオロチのようにも見える。この景色を仲間と一緒に見れたら,感動はもっと大きいだろうと思った。池の段から立烏帽子に向かう斜面は,スキーに最適である。この素晴らしい斜面に立派なボーゲンシュプールをつけてきた。立烏帽子は細尾根の山頂だったので,稜線まで巻いて山頂に立つ。立烏帽子は傾斜があり,日が良く当たるので雪崩の危険性が高いと思った。危険回避のため尾根を伝いながらゆっくり下りるが,私の行動に刺激され5メートルくらいの雪崩が起こった。規模も小さく,雪崩というのかは本当はわからない。スキーをはずして稜線伝いに休憩所まで下りる。ココから先は,林道までのんびり下りて楽勝かと思っていたが間違いだった。管理車道ではないルートに沿って下りるが藪がきつい。傾斜もあるのでスキーでは下りれない。
池の段より立烏帽子山
したがって,藪の無い楽な所を選ぶと必然的に沢に出る。沢を行くと雪解け水で小川に出る。でも大丈夫,地図では川は無く,このままこの沢を下ると林道に出ることはわかっていた。ところが地図の林道表示の所にそこそこ大きなの川が流れている。最近出来たの?そんなはずない。実際の林道が,この川の向こう側にあるのが見える。今日は天気が良く,視界が効いて助かった。スキーを担いで急な斜面を歩く。踏み抜きそうな所は,ストックを刺し,確認しながら進む。これがかなり時間がかかった。川幅が狭く渡りやすいところを見つけて,キックステップで川の斜面を上がり林道に出た。林道に出たら公園センターまではすぐだった。休憩なしの6時間行動。私の希望通り,登り応えのある山になった。とても満足している。ただ,こんなにいい天気に1人で登るのはもったいない。仲間がいると感動も大きい。「どこに行くかではなく,誰と行くかである。」仲間の有給休暇に,ささやかな希望を持って待つのみである。今回思ったが,厳冬期の比婆山縦走は泣きたくなるような山になると思う。立烏帽子からの帰り路を無難に管理車道を下ると良いかもしれない。

2014年3月16日日曜日

2014春 大山北壁(8合尾根)&山を終えて

当初の計画では,三鈷峰北稜であったが,悔しいけど,厳しい山には行ける状況ではなくなった。楽とは言わないけれど,8合尾根に行くことにした。8合尾根で大山北壁3部作(弥山尾根別山尾根,8合尾根)が完成し,とりあえず私の山は終了というかひとつの区切りを大山で終えた。いつものことながら,わがままな私に付き合ってくれたYには感謝している。次はYがリーダーでみんなを連れて行って下さい。
8合尾根の私と先行するパーティ
①日時:2014.3.16(日)
②行先:大山北壁(8合尾根)
③メンバー:T,Y
④行動記録:
大山寺(7:25)→8合尾根取り付き(9:07)→夏山登山道(12:35)→弥山(12:55)→大山寺(14:25)
⑤行動概況:
今日の作戦は前回の別山尾根と逆で,一番乗りではなく,トレース借用狙い?でいつもより出発を1時間遅らした。
活躍してくれたY

元谷に到着すると,弥山尾根には10人ほど取り付いている。別山尾根は無し,8合尾根方面は人影を確認する。頼むから7合尾根には行かないで,8合尾根に行ってくれと願う。
8合尾根に取り付くと2人のパーティが登ろうとしていた。渋滞が予想できたので,尾根の下に回りこみ追い抜いた。残念ながら先頭になってしまった。
馬乗りで越えたナイフリッジ

しばらく尾根伝いに行くと,トレースが現れる。8合沢を詰め,登ってきた3人パーティだ。 ラッキーと思ったが,すぐに追いつき,本当の先頭になった。あとはトレースのない雪面を歩くことに喜び?を感じながら登り,夏山登山道に出た。正確にいうと,夏山登山道手前で,休憩していたら,3人パーティに追い抜かれた。
今回の8合尾根の特記事項をあげるとしたら以下のようなことかな。
・ナイフリッジは馬乗りになって越えた。
・小岩壁下部をトラバースした。雪がしっかり付いていて楽だった。
・小岩壁上部は雪が少なく,浮石で落さないように登った。
夏山登山道まであと少し

⑥今年度の山を終えて:
今年度も山また山の生活でした。もうこんなに山には行けないだろう。目新しい山はないけど,どの山の思い出に残る山ばかりだ。同行してくれたンバーには感謝している。「山はどこに行ったのではなく,誰と行ったことが重要だ」なんて言ってた人がいたが,そうかもしれない。自分の山のスタイルというか,今までやってきた山の象徴として,今年度の山,以下の3部作は特に印象に残っている。

・大山北壁3部作(弥山尾根別山尾根,8合尾根)
・甲川   3部作(リベンジの甲川速攻の甲川完結の甲川
・大休峠  3部作(矢筈ヶ山野田ヶ山完結の大休峠

ブログ1年間読むと,大山の全てがわかるなんて,たいそうなことをブログの紹介に書いたが,1年が3年になり,私の紹介する大山も終わりに近づいた。
ブログを始めてすぐ,あの未曾有の被害を出した東日本大震災が発生した。死者への供養は生き抜くことだと,勝手な理由をつけて翌日Mjと弥山尾根に行ったのをよく覚えている。あれから3年経った。身近にいろいろあって,あらためて「生き抜く」という意味をかみしめている。
大山にはもっと楽しい山のスタイル,場所あるよ。それを見つけるのは君達の番だ。

2014年3月11日火曜日

2014春 大休峠(完結編)

春の大山は,雪が締まり面白いルートがたくさんある。しかし,日本海に面する独立峰,大山の天候を味方にすることはとても難しい。天気図を眺めながら,自分にとって都合のよい解釈をしようとするが,山頂の荒れ狂う景色が容易に想像できる。行ける所まで行って6合目で引き返す屈辱的な山はもう飽きた。撤退なき,目標を貫徹する山行きにこだわり,寒波が来るほど面白くなるパラドクサルな大休峠へ若きエースMtと行ってきた。
林道を快調に行く

①日時:2014.3.10(月)
②行先:大休峠
③メンバー:Mt,Mk
④行動記録:
香取上部(7:10)→甲川分岐(08:20)→大谷クリア(09:20)→(10:00)大休峠避難小屋(11:00)→大谷クリア(11:50)→香取上部(13:00)
⑤行動概況:
朝4:00に自宅をでると,満天の星空があった。気温は高く,車のフロントガラスが凍結していない。今頃にしては不思議な現象にあまりいい気持ちはしない。7:00過ぎに歩き始めて,しばらくは北の方角に青空が見える。天気がいいと香取の林道から三鈷峰が見えるが,この日は鉛色の雲が分厚くそれを隠していた。新雪がふかふかして気持ちよく,二人で並んで歩いた。
この冬,大休峠に何度か挑んだが,全てがしょっぱい山行きになってしまった。今回は西高東低の厳しい条件の中で,何としても目標を貫徹させたい想いが強かった。
鴨鍋を来年もやりたい
大谷まで,明らかに認識できる谷が4本ある。私はそれらを香取から4の谷・・・1の谷と名付け目印にしている。4の谷から3の谷までは,斜面を緩やかな上り調子にルートをとり,3の谷を越えてから大谷の上部までは,ぐいぐい高度を稼ぐようにルートをとる。上手くいけば2の谷は楽に越すことができる。大谷を越えるのも,上部からの方が藪も少なく楽に通過できる。大谷を越える登りは,凍った斜面に新雪が覆いかぶさり,何度か滑りそうになった。その辺りから急激に気温が下がり,風が勢いをつけて襲ってきた。バラクラバをつける間もなく前髪が凍りつく。ルートを野田の方にとり,下がらないよう注意して,一歩一歩確実に進んでいく。このころになると,視界は15メートルくらいになり,目視だけでは進路が定まらなくなる。「天候の急変」「猛烈な吹雪」「遮られる視界」まさに,新田次郎の春山の世界に迷い込んだような気がした。撤退の判断材料はそろっているが,目視では確認できない大休峠避難小屋までのルートがイメージで明確に見えていた。GPSを使うのはカンニングのような気もしたが,イメージとGPSの回答が合致しており,吹雪に向かって進んでいく。最後の谷を巻き込むと,開けた雪原にでる。目を凝らすと雪に飲み込まれかけた大休峠避難小屋が見えた。復路の厳しい天候を考えると,到達した喜びや感動も抑え気味になってしまう。
心強いパートナーMtと
 黙々と小屋を掘り起こし,温かいものを口にして急ぐように小屋を出ると,すでに2人のトレースは無くなっていた。左手の指は痺れて感覚が無い。歩みを速めても,息は上がるが体温は上がらない。こんな時には,気持ちというか,精神というか,気迫に満ちた自信が必要だと思う。今までのしょっぱい経験が自信に変わっていくのを感じた。大谷を過ぎると風は止み,ガスも晴れていた。さっきまでの厳しい嵐は何だったのか・・・春の山に私の気迫はミスティ-フィカシオンされ,難なく下山することが出来た。下山しMtと一緒に代表Sの店に蕎麦をいただきに行った。ひと箸ごとに心も温まり,ようやく目標が貫徹できた喜びが湧いてきた。信頼できるパートナーMtと最高の大休峠を完結することが出来た満足感は格別だ。残された課題もたくさんあるが,しばらくは,この余韻に浸って満足したい。少なくとも来週の月曜日までは。

2014年3月9日日曜日

2014春 大山(夏山登山道)

今日の頂上避難小屋
昨年末から2回この道を登ったが,2回とも6合目で引き返してしまい,頂上まで行っていなかったのでEとIを誘って行くことにした。前日になってEが体調不良のため自宅療養になり,Iと2人で行くことになった。
①日時:2014.3.9(日)
②行先:大山
③メンバー:Y,I
④行動記録:
大山駐車場(8:40)→6合目(9:55)→(11:10)大山(12:00)→元谷(13:40)→大山駐車場(14:25)
晴れ間が…
⑤行動概況:
今日は歩く前から暖かく感じたのでアウターも着ることなく出発した。歩いていると,暑くなっていつも脱いでしまう。その手間を省こうと思っていたのだが,風が冷たくなってきて2合目でアウターを着ることになった。そして6合目,Iはアイゼンを履くことに,私はそのまま歩くことにした。ここで思ったのが,6合目までの雪質とそこから上の雪質が全く違うことに気が付いた。そんなこと知ってるよ!と,怒られそうだが,私は今日気が付いたのだ。まるで片栗粉のような感じで歩きにくかった。頂上に着くころには,ガスでなにも見えず,写真を撮ろうと思っても真っ白。とりあえず,弥山山頂に立ってみた。そして小屋で昼食を摂り下山。そして,いつものように下山途中から晴れてくる。なんでだろう?

2014春 大山(8合沢BC)

風の噂では,YCCの新人Oは蝶のように舞い,飛ぶように歩くそうな。真偽の程を確かめに,ちょっとした?スキーツアーにOと出かけた。そこまではなかったが,行動中,私のほうから休憩を申し出るくらいOは速かった。YCCにはもうひとりヘラクレスと呼ばれるパワフルなMkがいる。Oとの対決が楽しみだ。
今回の山は,スキーがメインで6合目から滑り,8合沢を登り返し,滑り下りようとするものだ。途中撤退はしたが,あらためてスキーの機動力,楽しさを実感する山だった。
8合沢に向かって滑走する

①日時:2014.3.9(日)
②行先:大山(8合沢)
③メンバー:T,O
④行動記録:
大山寺(7:36)→6合目避難小屋(9:05)→8合沢(9:20)→1330m付近(10:50)→元谷(11:05)→弥山尾根取り付き(12:11)→大山寺(12:48)
⑤行動概況:
南光河原P奥の斜面から,私は山スキー,Oはテレマークスキーでスタートする。夏山登山道に合流し,トレース上をスキーで上がる。なんとなくペースが速い。Oの様子を見ていると,休憩する雰囲気がなかったので,2合目で休憩をお願いする。この辺りから登山道横をジグザクに登行し,スキーを外すことなく6合目に出る。
8合沢をラッセルするO
6合目からシールを外し,トラバース気味に滑走し8合沢に下りた。8合沢では7合尾根に1パーティ,8合尾根に1パーティを確認する。8合沢は急斜面でデブリの跡があり,シール登行できる状態ではなかった。もう雪崩れることはないだろうと勝手な理由をつけ,上がって行く。7合尾根を登攀するパーティからは「雪崩に注意してください」と声をかけられる。十分注意しているつもりでいるが一応「ありがとうございます」と言っておいた。
8合沢での弱層テスト
デブリがなくなると,ラッセルの開始である。堅雪の上に新雪が40cm程ある。適当な斜面で弱層テストをしてみることにした。
なんとOはスノーソーまで持参していた。柱状に雪を掘り起こし,両腕で引っ張ってみると,いとも簡単に新雪が滑り落ちた。躊躇することなく,ここで上ることは中止し,元谷に滑り下りた。まだ時間があったので,近い将来連れて行ってくれるであろう北壁の確認に取り付きまで行き,また滑り下りた。元谷からはスキー場方面に下り,大山寺に帰着した。
北壁取り付き手前
⑥トピックス:
・初めて6合まで山スキーを外すことなく上がった。
・初めて弱層テストで撤退を決めた。
・初めて登山行動中,自ら2回も休憩をお願いした。

⑦おまけの動画:
8合沢を滑走するOです。滑り難いデブリの上でうまくスキーをコントロールしています。私より断然うまいです。

2014年3月2日日曜日

2014春 冬季登攀研修会

現在の日本山岳協会が推奨している,最新のSAB(スタンディングアックスビレー)の伝達講習にYCCから4人(T,Y,Mm,Mi)参加してきた。
Miは近々の北壁8合尾根に向けて,Mmは教える立場からたまには教わる立場で参加したそうな。私とYは何だろう,とりあえず木曽駒・宝剣岳に向けてにしておこうか。
内容はシンプルにSABとのそれに関連したこと。SABはよく知っているつもりであったが,あらためて再認識,再整理することができた。今度の例会で伝達講習の伝達講習をYがします。
早速,実践ということで,Yと三鈷峰北稜が決定した。
3班に別れて練習しました
①日時:2014.3.2(日)9:00~13:00
②場所:米子工業高校山小屋の裏斜面
③参加者:YCC(T,Y,Mm,Mi),その他
④感想:
・まずは足場となるプラトー(フラットな硬い雪面)作りからスタートするが,けっこう時間がかかる。
・別山尾根はSABが使える所,少ないし,使える所は確保が必要ないかも。
・7合,8合,弥山尾根あたりは,有効な確保かな。
・SABで滑落者を止めたあとの処理も反復練習しておく必要あり。