2014年7月28日月曜日

2014夏 北アルプス(立山~剱岳)

半年以上も前から予定されていた『立山~剱岳』へ行ってきた。

①日時:2014.7.24(木)~7.27(日)
②行先:北アルプス(立山~剱岳)
③メンバー:Mj,Y,Si,E,I,Mt,Kw
④行動記録:
【1日目】米子(20:40)→立山駅(4:10)
【2日目】室堂ターミナル(8:10)→浄土山山頂(②9:45)→一の越(①9:35)(②10:30)→雄山山頂(①11:30)(②12:00)-大休止-雄山出発(12:45)→大汝山(13:10)→富士の折立(14:00)→別山山頂(16:25)→剱御前小屋(17:10)→
剱沢幕営地(18:00)
【3日目】剱沢幕営地(4:10)→剣山荘(4:50)→一服剱(5:20)→前剱(6:40)→剱岳山頂(8:55)→剣山荘(12:40)→剱沢幕営地(13:30)-テント撤収-剱沢幕営地発(14:30)→剱御前小屋(15:45)→雷鳥沢着(17:45)
【4日目】雷鳥沢発(6:00)→室堂ターミナル(7:10)→立山駅(8:30)→米子着(20:00)

ガスっている中,いざ出発!
⑤行動概況:
【1日目】出発日は各々が勤めを終え,米子市内の集合場所へ集まる。今回のメンバーは7名で車両1台というスパルタンな計画であり,各自のザックは容積60L以上,重量は12kg~15kgである。7名と荷物を満載し,いざ出発!
この山行直前に『若狭舞鶴道』が延長開通し,今回はその真新しい『若狭舞鶴道』を深夜に走ることで移動時間短縮を見込んでの滑り出しである。
【2日目】立山駅へは想定より早く到着し,余裕を持って朝食を摂るなどの準備ができた。立山駅は駐車スペースも広くあり,何より無料で利用できるのが嬉しい。6時より室堂行きのチケットが販売開始となり,我々も列に並んでチケットを求めた。始発のケーブルカーに乗り,バス経由で室堂ターミナルへ至る。
雪渓を通過する
室堂到着時はガスっており視界は不良であったが,(この時はまだ)パーティーにエネルギーが満ちており,水の補給・記念撮影を行い鼻息荒くスタートする。室堂から一の越まで,SiとIは浄土山を経由せずに進み(①),他のメンバーは浄土山を経由して至る(②)計画である。①が先に一の越に到着し雄山へ進み,②が追いかけて合流するという寸法だ。
出発から3分程度の分岐で①と②が別れ,それぞれに進む。相変わらずガスは濃く,見通しが利かない。②の道中は数箇所で雪渓が出現したが,①の道中は【ほとんど】雪の上を歩いたらしい。
②は高度を上げるに連れて風は強くなり,登山者も疎らである。ほぼ同時にスタートした別のパーティーと抜きつ抜かれつを繰り返す。そうするうちに浄土山山頂に到着した。山頂付近もガスは濃く風が強い,早々に山頂を後にして一の越へと下り始める。下る道々,①はもう到着しただろうか?天候は回復するだろうか?などと話しながら進む。ほどなくして一の越に到着した。一の越山荘は改修中であったが売店などは利用可能な様であった。周囲に①の姿は無く,雄山へ進んでいるらしい。
雄山までの登りには遠足(?)の小学生や合宿(?)の高校生が多く,浄土山とは一味違った賑々しさを放っていた。相変わらずガスと風の中ではあったが,空に明るさが増してきていた。そうして歩くこと40分,ガスが流れて束の間の晴れ間が見えた。周囲からは歓声が沸き,目下一の越山荘までハッキリと見通すことができた。そうして雄山山頂に到着する頃にはガスが殆ど抜けて晴天となっていた。聞くと①は30分程前には到着したらしい。天候の回復と裏腹に②のメンバーには疲労の色が見え始めており,ゆっくり休憩を取ることにした。
大汝の小屋 映画の舞台になったらしい
雄山を出発すると快適な稜線歩きである。次の中継点である大汝山山頂は今回の山行で最高地点となり,また,大汝の山小屋は映画の舞台となったらしい。日差しも暑過ぎず風も心地よく,後発の登山者に追い抜かれながらも大汝山へ到着する。ここで膝痛が発症しペースの上がらないKwの荷を他のメンバーに分け,出発する。先はまだ長い。
稜線を進み富士の折立へ達する,Siの情報によればココからの下りは200mの急勾配。SiとKwはペースが上がらず,ゆっくりと下りる。下りでの見晴らしは良く気持ちは軽いが,荷は重い。牛歩は続く。コルまで下りると別山までの登りが待っている,この登りが見るからにキツそうである。数時間前,室堂を発った時に満ちていた気力はどこへ行ったのだろうか。
あとチョット,もうチョット,と言いながらジワジワと別山への距離を詰める。息を整える回数が増え辛いやら情けないやらで,翌日の行程に不安を感じ始める。じっくりじっくり進み,ようやく別山へ至った。最初に到達したのは誰だっただろう?頂上でしばしの休憩,あとは下りだけだ。
別山より剱御前小屋へ向う。Siのみは小屋泊を予定しており,Siを送り届けてから剱沢幕営地へ下る形だ。沢を見下ろしながらココでも再び【あとチョット,もうチョット】と言い聞かせ,牛歩が続く。剱沢へ下りた頃には沢は翳り,気温がグッと下がってきていた。適当な場所にテントを張り,適当に食事を摂った。翌日は4時出発の予定,星を撮るというメンバーを横目に早々に就寝させて頂いた。
【3日目】誰からということもなく起床し,黙々と出発の用意をする。幕営地から剱をみると,へッ電の灯りが多数見えている。天候は快晴,きっと彼らは素晴らしい御来光を得るだろうと思いながら出発する。このとき僅かに東の空が明るみ始めていた。
剣山荘を過ぎた頃,稜線から朝日が見えてきた。思わず足を止めカメラを向けると,一時の至福である。明るくなり始めた本峰に向かい,ドンドンと脚を進めていく。鎖場が出てくる度に山頂へ近付いている実感が湧いてくる。一服剱に着いた頃は【まだ】元気はあった。と,思う。
剱山頂
前剱までは大きく下って大きく登る。途中で何度も休憩し,また,来た道を振り返りながら牛歩は続く。いくつの鎖場を越えたのか忘れてしまった,記録を取る余裕も無かったが前剱へ到着する。
前剱から眺める。アレが平蔵の頭,アレがカニのタテバイ・・・写真で見ていた憧れが,目前に迫ってきていた。天候は見事すぎる程の日本晴れ,幸いメンバーも皆体調が良さそうだ。足場の広い場所でハーネスを着ける,間もなくカニのタテバイだが然程の渋滞は無いようだ。
カニのタテバイ,先行の登山者が登るのを見る。しっかりとした鎖が繋がれてはいるがホールドもスタンスもしっかりしており,鎖に頼る必要はなさそうだ。そうするうちにカニのタテバイを過ぎ,山頂へと至る。岩の殿堂,剱岳(2999m)にメンバー揃って登頂できた。とにかく嬉しい。
山頂にて記念撮影とエネルギー補給をし,後髪を引かれつつも山頂を後にする。次はカニのヨコバイが待っている。後発の登山者とすれ違いながら下山を進めると,ほどなくしてカニのヨコバイに至る。特記するほどのことも無く,皆が淡々と通過したようである。カニのヨコバイ直後のハシゴの方が怖かったという声も。
富士山・槍ヶ岳なども見渡せました
山行計画上の時間行程はとっくに過ぎてしまっていた。Siが剱御前小屋で心配していることだろうとは思うが,思うようにスピードが上がらない。これまた牛歩が続く。ようやく幕営地まで戻った時にはコースタイムの1.5倍程の時間を要していた。が,メンバーの皆が皆,満足したことだろう。
そうしてテントを撤収,パッキングし直し,Siの待つ剱御前小屋へ向う。随分長く待たせてしまったという後ろめたさはあるが,体は思うように進まない。病人のようなスローペースでトボトボと剱沢を登り返す。ようやく剱御前小屋に到着し,Siからもらったミカンが甘酸っぱくて本当に美味しかった。
剱御前小屋前で休憩後,目下に見える雷鳥沢へ下る。あとは下りだということもあり,Siに花の名や鳥の話を聞きながらゆっくりと下りた。途中雪渓を通りながら幕営地の雷鳥平へ到着する。土曜日ということもあってか,かなりの数が張り出されていた。我らも適当な場所を確保し,さっさとテントを建てて寝床の用意に勤しんだ。事前の情報では雷鳥沢ヒュッテにて入浴可能とのことだったが到着が遅れたために受付時間に間に合わず,『日本一標高の高い天然温泉』での入湯は叶わなかった。地獄谷から運ばれる火山ガスの香りで温泉気分だけは味わった。
【4日目】前夜に仕入れた情報では,どうやら雨になるらしい。出発時間を早めて雨を回避しようということになった。夜のうちは風が強く周囲のテントがバタつく音が気になったが,雨は降らなかったようだ。それぞれ朝食を済ませテントを撤収し,いざ歩き始めようという間になって雨が降り出した。ポツポツの雨は次第に勢いを増し,血の池地獄を通る頃には叩きつけるような雨と横殴りの突風に晒され,山行の終盤に相応しい【オチ】が付いたなと可笑しく思いながら室堂ターミナルへと至る。
ターミナルからは始発のバスに乗り,ケーブルカーに接続して立山駅まで無事に帰ってきた。下りてみてもドシャ降り,お土産を買ったりしながら様子を見ていたが止む様子は無い。Eが車を回してきてくれ,駅前で皆のパンパンの荷物を押し込んで帰路に着く。
温泉に入り,富山ラーメンを食べ,今後の山行計画などを話しながら遠路米子へ無事に帰った。おつかれさまでした◎

2 件のコメント:

  1. この山行にあえて価値を求めるとすれば,剱初めてのパーティで,半年前から計画され実行されたことだね。山は事前の準備(体力,技術も含め)は大切で,準備が終了した時点で,山行の半分は終わっているようなものです。
    なんと言っても快晴の剱,最高の気分だったでしょう。

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  2. Tに教わった一歩一歩と忍法くノ一,Mjのクライミング講習,過去の山行…すべてをかけて,3年越の夢を叶えることができました。
    あきらめないこと,仲間がいること,YCCの一員として参加できたことを誇りに思います。ありがとうございました。
    これからも誠実に山と向き合います。

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