2014年8月30日土曜日

2014夏 三鈷東谷周辺

せっかく来たのだからと阿弥陀滝に寄る
メンバーが子供たちと私だけなら,阿弥陀滝まで行って,宝珠尾根に上がるか,そのまま引き返すつもりでいた。急遽Mjが参加してくれたので,当初の目的通り,三鈷東谷から登り返し,中国自然歩道に出て,スタート地点の川床に帰ってきた。
秋のキノコ採りが期待できそうな初級バリエーションコースだが,ロープを使用する急斜面の登降があり,Mjがいてくれて助かった。初心者は入らないほうがいいよ。と言ってもこのコース,詳細には書かないが・・・阿弥陀川右岸は厳しいということです。
タマゴタケがたくさん出てました


①日時:2014.8.30(土)
②行先:三鈷東谷周辺
③メンバー:Mj,Tと子供たち
④行動記録:
川床(8:15)→阿弥陀滝(10:12)→三鈷東谷出合(10:40)→中国自然歩道(13:10)→川床(13:50)

2014年8月23日土曜日

2014夏 送別会&夏の終わりのパーティ

Oを囲んで参加メンバーと1枚
1年間の大山Mベル店の勤務が終了し,9月から新潟市に転勤になるOのささやかな送別会を開きました。
彼はキラキラする少年のような瞳で,山に向かい,あらためて山の楽しさの原点を思い出させてくれました。そしてYCCに爽やかな薫風を残してくれました。短い時間だったけど,貴方と行った山,楽しかったよ。
送別会はいつしか,スライドショー,行きたい山の話などで大いに盛り上がりました。
さらにパーティは盛り上がる

①日時:2014.8.22(金)
②場所:いつもの山小屋
③メンバー:S,Mj,I,Fu,Y,Mk,Mt,E,T
④Oの本に書いたメンバーの寄書き:
【S】目標に向かってガンバレ!
【Mj】小野田君ともっとクライミングしたかったナー!
【I】フレー!フレー!小野田!
【Fu】勤務先でまた会いましょう。岩登り練習しときます。
【Y】新潟の山案内してね,あと転勤したら教えてね。
【Mk】烏の穴に入って横穴から出てきた時,貴方の瞳の輝きは忘れないよ。谷川岳に案内お願いします。
【Mt】短い間でしたが,いろいろ刺激もらいました。どこかの山で会いましょう!!
【E】帰ってこいよ,帰ってこーいよ~
【T】貴方ともっと一緒に山に行きたかったな,まだ宿題残っているよ!
⑤Oから:
【O】一年にも満たない期間でしたが会のメンバー皆が仲良くとても楽しい山岳会でした。これから転勤で各地の山に行くと思いますが心はずっとYCCの一員でいたいと思っています。ありがとうございました。行ってきます。

言葉足らずで,伝えられなかった思い,また送別会欠席の会員はコメントに書き込んでね。

2014年8月21日木曜日

2014夏 大山(山川谷)

山川谷は大山地獄谷を流れる加勢蛇川の支流で,琴浦町三本杉で合流する。先週歩いた大休谷とは中国自然歩道を挟んで反対側に位置し,地図上には二児滝,三本杉滝,飯盛滝を有している。甲川に行こうという話もあったが,代表Sの顔を立てて行って来ました。
思っていた以上に渓相は素晴らしく,沢登りに興味のある会員を連れて行ってあげたいと思う,そんな沢でした。
今月計画していた赤木沢は台風の影響で中止になったが,大休谷と山川谷で赤木沢以上の満足感を得たような気がします。負け惜しみではありません。本当です。
二児滝 (滝に下りる直前に撮影
この山行をもって,私の2014夏山は終了しました。

①日時:2014.8.20(水)
②行先:大山(山川谷)
③メンバー:Fu,S,T
④行動記録:
三本杉林道終点(7:30)→二児滝(8:20)→三本杉滝(9:54)→飯盛滝(10:36)→三本杉別れ上部(12:46)→一向平(14:30)
⑤行動概要:
一向平に配車後,三本杉林道終点に移動,山川谷の入渓は二児滝直下を目標とし,三本杉林道終点から歩き始める。最初はトレース跡を山川谷と平行気味に進み,適当な場所で左に折れる。見事,懸垂下降することなく,二児滝直下に下ることができた。こういう点が藪漕ぎだけではないYCC的というか,凄さである。
二児滝 下部
二児滝 上部











ここから我々の山川谷遡行がスタートする。いきなりの二児滝の迫力に圧倒される。二児滝はしっかりした支点が取れなかったが,何とか左岸を登る。
三本杉滝
三本杉滝は少し上流にあり,この滝も左岸を登る。その後,ウォータースライダー上の細長い滝が出てきたが,ここは高巻きした。
次の飯盛滝まで,それ以降も大小の滝,淵が連続し飽きさせない。太陽も顔を出し(途中雨もありましたが),明るい渓相と滝の連続は甲川にないものを感じる。
飯盛滝
最後の飯盛滝は大小の上段(10m位)と下段(5m位)に分けられているらしい。
最後上段をFuがトップで挑戦,ちょっとしたアクシデントもあったが,Fuの沢登り,余裕が出てきました。
一応これで大きな滝は終了。あとは山川谷を横切る三本杉別れへの旧道を行こうと思っていたが,代表Sの「そんな単独行動は許さん」ということで,山川谷を詰めるところまで詰め,中国自然歩道に出て,一向平に帰着しました。
沢登りも余裕が出てきたFu
⑥トピックス:
・二児滝登攀中,ブッシュに取った支点のスリングとカラビナ,回収し忘れたので,誰か行く人いたら,回収返却お願いします。
・飯盛滝登攀中,サッカーボール大の石が,代表Sのヘルメットを直撃しました。大丈夫でした?!
・行動中,マムシ3匹遇いました。うち1匹はヒキガエルを丸呑み中でした。
・大山滝吊橋から一向ヶ平まで,林道の整備が完了し,急な階段の登山道は歩きませんでした。

2014年8月15日金曜日

2014夏 白山

白山山頂(御前峰)
予定では北岳,間ノ岳の予定で計画をしていましたが,天気の安定が見込めないため山域を変更し,白山登山へ出かけてきました。

①日時:2013.8.13(水)~14日(木)
②行先:白山
③メンバー:N×4
④行動記録:
【8/13】別当出合(6:45)→砂防新道→南竜道→(10:45)南竜ヶ馬場野営場(11:30)→トンビ岩コース→(12:30)室堂(13:00)→(13:30)御前峰(14:00)→室堂→エコーライン→南竜ヶ馬場野営場(16:00)
【8/14】南竜ヶ馬場野営場(7:00)→南竜道→砂防新道→別当出合(10:00)
トンビ岩
⑤行動概況:
12日20時に自宅を出発し一路,市ノ瀬 Pを目指す。13日3時頃市ノ瀬 Pへ到着,到着時は駐車場は閑散状態でしたが,仮眠を済ませ辺りを見渡すと駐車場は埋まっている状態で,バスも満員で既に動き出していました。準備を済ませシャトルバスで別当出合へ向かい,登山をスタート。
今回の荷物は,60l・48l・35l・30lのザックで会のテントは借用せず,快適生活を捨ててマイテント2張りで軽量化を図った。天気も陽射しがさす事もなく汗は流れるが,順調にテン場まで到着。雲の流れは速く,ガスが立ち込めては消えていくそんな天気の間に設営し,のんびりと時を過ごそうかとも思っていましたが,天気は下り坂なので当日のうちに御前峰に行くこととしました。トンビ岩コースは岩あり,水の流れあり,お花ありで変化に富んで子供達もお気に入りになったようです。室堂手前の万才谷雪渓が残り,冷たい雪解け水を感じ室堂に到着。室堂で一服して御前峰へ,山頂からの遠景は望めませんでしたが,白山の魅力を感じるこはできました。帰路はお花のシーズンは終わったエコーラインで淡々と下り,テン場へ戻りました。子供達はトンビ岩コースで下りたかったようです。
万才谷雪渓
テントへ戻り食事を済ませ19時には就寝,夜中に風が強くなり朝方には雨も落ちてきました。起きる時間には雨は止んでいましたが,ガスが立ち込め白い世界で早々に朝食を済ませ,下山を決めました。下山,中飯場手前辺りで雨足が強くなったので雨具を着て下山となりました。
下山後,白峰温泉で汗を流した後,せっかくなので山中温泉の湯にも浸かり,7月20日に全線開通した舞鶴若狭自動車道を通り,帰鳥となりました。

2014年8月12日火曜日

2014夏 地獄谷~大休谷

初めから核心
台風後で増水した地獄谷の激流を見た瞬間にMk,Fuは今日は撤退だと思ったが,Tの「Mkロープ!」の声が響き,本日の山行が普通にスタートした。

①日時:2014.8.11(月)
②行先:地獄谷~大休谷
③メンバー:T,Mk,Fu
④行動記録:
香取P(6:30)→大休峠(7:40)→地獄谷(8:40)→大休滝(10:00)→野田ヶ山稜線(14:25)→香取P(16:30)
⑤行動概況:
大休峠,大休口と経由し,地獄谷に入渓する。水量は多く,最初の渡渉からロープを使用したので,大休谷出合まで思った以上に時間がかかった。
地獄谷に優雅に注がれる大休滝F1を滝壺から眺める。残念ながら登れそうなところがみつからない。右岸の潅木を掴んで登り高巻する。急な尾根を攀じ登った時,轟音とともに大迫力のF2が現れた。F2の滝壺まで降り下から眺めると,瀑風がハーネスのシュリンゲを揺らす。高低差30メートルはあろうかと思われる2段の滝は素晴らしかった。ここも、右岸より潅木を掴んで高巻する。
地獄谷の激流に何度も流される
大休滝(ここは滝が2段になっている)
この高巻は痩せ尾根で岩質も脆い。最新の注意を払いながら攀じ登る。F2を高巻いた後はもう一度下降し大休谷へ入る。この大休谷の様相はとても美しかった。水圧も少なくなり水質も濁りが無くなった。2~3mの滝が続き飽きさせない。深いゴルジュのVを背景に,日本庭園のような絶妙な配置で苔むす岩が佇んでいる。ホールドも豊富にあり,ザイルも滑滝で一回出したきりだった。寒くなく暑くなく,やっぱり夏は沢登りに限る。野田ヶ山を目指してひたすら上がるが3人共に足が重たいようだ。アプローチに2時間かかると結構つらくなる。
最後の滑滝
やがて水流が無くなったかと思われた所に最後の滑滝3連発が現れた。この後は急な藪漕ぎで汗を絞り出し,野田ヶ山手前の縦走路に抜けた。ここに,念願の大休谷完全遡行の完成となった。
帰りは,大休峠経由ではなく,野田ヶ山からショートカットし中国自然歩道に出た。疲れているのに最後の藪漕ぎはきつかった。YCC的だなと思った。T曰く「秋のキノコパーティのため」らしい?
何だかんだ言って今回の山行は10時間を要した。その時間と回りの変化に満足するものでした。
大休谷を遡行








2014年8月11日月曜日

2014夏 甲川(幻の大滝)②

支流の清流


本日の山行は地獄谷~大休谷に変更となった。集合時間に間に合わすことができないので涙をこらえて不参加とし,幻の大滝が水を落とす姿を眺めに行ってきた。
①日時:2014.8.11(月)
②行先:甲川(幻の大滝)
③メンバー:N(単独)
④行動記録:
牛飼尾P(9:30)→大滝(10:40)→牛飼尾P(11:40)
⑤行動概況:
台風の影響で香取上部は侵入禁止となっていた,その手前でTの車を確認してからいつものPへ駐車して入山。甲川に降り立つと当然だが増水している,甲川本流を渡渉して支流に入るが,ここが本日一番の核心でした。二本の脚だけでは流れに持っていかれてしまうので岩に手を添えての通過。後は支流を詰めて行く,支流にも流れ込む枝流が多くでき,滝も発生していた。糸滝(仮称)も天王滝を思わせる滝になり,幻の大滝も大滝の名がふさわしい水量の迫力を見せてくれた。
幻の大滝
糸滝(勝手に命名)

2014年8月4日月曜日

2014夏 北アルプス(雲ノ平周辺)

黒部川に架かる薬師沢小屋前の橋
雲ノ平へ急登のスタート
Ysから山行記録が届きました。
同時期,同じ山域に2人の会員(fu,Ys)が入山しているんですね。恐るべしYCCの女性陣。

1週間前の天気予報ではずっと晴れだったのに,オセロの駒が裏返るように雨予報に変わっていった。雨の山歩きも嫌いではないが,今回は雲ノ平から周囲の山並みを見渡したかったのに視界は白一色。それに濡れた木道や苔岩の滑る事ったら!それでも重いザックを背負った1人テント旅は充実感でいっぱいでした。
①日時:2014.7.23(水)~28(月)
②山域:
北アルプス(雲ノ平・三俣蓮華岳・鷲羽岳・水晶岳・高天原)
③メンバー:Ys(単独)
④行動記録:
7/23 晴    17:30松江発~(舞鶴若狭道~北陸道)~立山IC~有峰口(車中泊)
7/24 雨    有峰口~有峰林道~折立~太郎平~薬師沢小屋(泊)
7/25 雨後晴 薬師沢小屋~雲ノ平~三俣蓮華岳キャンプ場(泊)
7/26 晴    三俣~鷲羽岳~ワリモ岳~水晶岳~温泉沢ノ頭~高天原山荘(泊)
7/27 雨後晴 高天原~雲ノ平~薬師沢~薬師峠キャンプ場(泊)
7/28 晴    折立へ下山~往路を逆に辿り帰宅
雨で瞑想的な雲ノ平
⑤行動概要:
【1日目】高校野球の試合応援で熱中症気味。『これから富山にホントに行くのか?』
【2日目】歩き始めてすぐにザックの重さが分不相応だと思い知らされた。お握り2個スモモ3個に鶏のから揚げは欲張りすぎ。雨よりも汗で全身が濡れる。テント泊に変更して一刻も早く食糧を消費しようと考えたが,太郎平では横殴りの風雨となり乾燥を求め薬師沢に下る。木道で早速滑り思い切り尻もち。一足毎にきしむが幸いに歩ける。
三俣~水晶~温泉沢ノ頭までは穏やかな稜線
【3日目】小屋前の赤い橋を渡るといきなりの梯子連続。重大ザックに振られて辛い。1時間半で木道端,霧雨にむせぶ雲ノ平はすれ違う人もなく気付くと小屋横に来ていた。おしゃれなドアを開け爽やかな小屋番に勧められ美しいトイレへ。ありえない美小屋です。三俣小屋も若いスタッフが意欲的な爽やか小屋とお見受けした。4時で「蒲団2枚に3人」との話だったがその後もどんどん人が来る。テントで良かった。ビール片手に初めての遠望を楽しむ。鷲羽・ワリモ・彼方の水晶。そのまた向こうの温泉沢を険しく下降して明日は憧れの高天原へ。本当に行けるのか遠すぎないか。
【4日目】鷲羽へは段差無く歩きやすい。長丁場だからゆっくり小股「口を開けず鼻で息をする」に徹する。休憩なし歩きながら片足ずつ休む(ザックを下せば再び担ぐのが辛い)。水晶岳は岩登りだった。数人連れているガイドのK氏に「高天原へ行くなら従業員の○さんに・・・」と伝言を託され生きて辿りつける気分。赤牛岳への稜線は歩けど歩けど近くならない。なんとデカイのか赤い牛。そして巨大な薬師岳を正面に見る至福。
憧れの高天原小屋,至福の夕暮れ
温泉沢は河原に降りてからが長く西日に焼かれて行き倒れそう。予定を遥かに越し4時。温泉にゆっくり浸かって小屋到着は5時半。夕食は間に合わなかったが時間外提供のうどんに大きなお握りを付けて下さり有難かった。服を洗い濡れたテントも干す。
【5日目】昨日はヨシズ囲いの女性用温泉だったのが心残りで朝3時台に河原風呂を目指した。すぐ後ろに迫ったパーティーに「風呂入りますか?」「入りません(アホ言ってんじゃねぇ!)さらにヘッドランプが見えたので素早く脱いで入ってしまった。「お早うございます」「あ!僕はあっちのに入りますから」譲ってくれた。
永く憧れの高天原小屋を立ち去り難くぐずぐずするうち雨になった。大東新道を上がりたかったが源流とはいえ黒部川。良い子は雨の日に入らない。雲ノ平登り降りの濡れた木道と苔岩に苦しみ昼食抜きも祟って超バテバテで薬師平に辿りついた。

2014年8月2日土曜日

2014夏 北アルプス(高天原温泉周辺)

Ysとバッタリ
初めて北アルプスへ訪れた際に出会った方に聞いた日本最後の秘境・雲ノ平,2日歩かないと辿りつけない秘湯・高天原温泉。秘境秘湯と聞いてワクワクするのは私だけ?どうせならその周辺の山も楽しみたいバリエーションも歩きたい同じ道は歩きたくない,とよくばり周回プランを考えていたら4泊5日の山行計画ができてしまった。歩くしかありませんね。

①日時:2014.7.27(日)~8.1(金)
②山域:
北アルプス(薬師岳・雲ノ平・高天原温泉・水晶岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・黒部五郎岳)
③メンバー:Fu,会員外(S,Y)
④行動記録:
【1日目】松江(11:00)→徳光PA(20:00)
【2日目】徳光PA(4:30)→折立(7:30)→(10:59)太郎平小屋(11:25)→(13:10)薬師岳山荘(14:10)→(15:08)薬師岳(15:20)→(16:00)薬師岳山荘
【3日目】薬師岳山荘(5:33)→(6:42)太郎平小屋(6:50)→(8:35)薬師沢小屋(8:55)→(11:39)雲ノ平山荘(13:12)→(15:40)高天原山荘(16:10)→(16:28)高天原温泉(17:25)→(17:40)高天原山荘
【4日目】高天原山荘(6:01)→(6:15)高天原温泉(7:49)→(11:35)温泉沢頭(11:50)→(13:19)水晶岳(13:51)→水晶小屋(14:25)
【5日目】水晶小屋(5:35)→(6:49)鷲羽岳(6:56)→(8:51)三俣蓮華岳(8:58)→(9:56)黒部五郎小舎(10:30)→(12:40)黒部五郎岳(12:55)→北ノ俣岳(15:53)→(17:25)太郎平小屋
【6日目】太郎平小屋(8:06)→(10:21)折立→亀谷温泉→松江(23:59)
⑤行動概況:
秘湯・高天原温泉
予定している日程の天気予報は雨か曇り,遠征先を変えるべきか迷っていると天気がずれて月曜からしばらく晴れ予報。雨が日曜にずれたと喜んでいたけど帰宅して剱岳メンバーの4日目の日記を読むと・・・なんだか申し訳ないが快晴の中,折立をスタート。太郎平へ登っていると下山途中のYsに出会った。同じような行程だったのでルートのアドバイスをもらい薬師岳に向かう。薬師岳の大きな山容は今回の縦走中,ずっと景色の中で大きな存在感を放っていた。計画途中は周回ルートから外れるので登頂の予定はなかったが,日程を1日追加して登頂してよかった。2日目は秘境の地・雲ノ平へ。薬師沢まで下り赤木沢へ続く綺麗な沢の流れを横目に雲ノ平へ向かう。登った大体の方がしんどかったと言うこの急登,登ってみたイメージとしては下宝珠越までの急登を2時間登る感じ。上の台地へ着くと小屋まで続く長い木道が現れる。名峰たちに囲まれた雲ノ平,360度どこを見ても絶景,急登で疲れた気持ちも生き返る。のんびり絶景を楽しんだら,予定より早いペースだったので明日に予定していた高天原温泉へ下ることにする。後は下りだけと舐めていたが思った以上の急坂や足場の悪さに苦労し小屋に着いた頃にはクタクタに。この疲れは温泉で取るしかない,とお風呂の準備をして早速向かうこと10分ちょっと。硫黄臭が漂ってくれば今回の山行のメインの秘湯高天原温泉。混浴の開放感抜群の野湯としきりのある男,女湯の3つ。人前で服を脱ぎ,堂々と野湯へ入った若い女性も居たようだがそんな大胆なことは出来るはずもなく・・私は女湯へ。湯の華たっぷりの42度のちょうどいい湯加減の白濁の湯に2日間の疲れを癒してもらう。そのままだと硫黄臭プンプンなので入浴後はすぐそばの沢の水で流すのがいいかも。それでも硫黄臭はしますが。
温泉沢にて振り返ると薬師岳
翌朝も出発前に温泉に浸かり,温泉横を流れている温泉沢から赤牛岳から水晶岳の間に繋がっている尾根から稜線を目指す。今回山行の唯一のバリエーション。人気の山域だけど,この温泉沢は歩く人が少なく静かにこの秘境の地を楽しめるルート。前半は沢を渡渉しながら進み(地獄谷が歩ければ問題ない程度),後半の尾根はザレた浮石の多い滑りやすい道から始まり高度を上げていくにつれ岩稜帯が現れ落石に注意しながら登る。急登の尾根を登ること2時間半,快晴で日陰もないルートなので干からびそうだった。温泉沢頭(稜線上)に着いた頃には心底疲れ,この先の水晶岳まで歩けるか心配になる程だったが,雲ゆきが怪しかったので急いで水晶岳へ向かう。険しい岩稜帯を超えると水晶岳の山頂,登頂したら雲が晴れ青空が広がり,小屋も見え安心したので山頂でのんびりと歩いてきたルートや景色を楽しみ小屋へ行き食事が終われば疲労で即就寝。
黒部五郎岳のカール
翌朝,外を見るとガスって展望なし。こんな日もあるよね,と鷲羽岳へ登るとガスが一気に引き青空が広がる。ここで初めてブロッケン現象を見ることができた。山頂が3つの県の境でもある三俣蓮華岳を超え,黒部五郎の小屋まで一気に高度を下げる。小屋に着くと,夕方から翌日にかけて天気が崩れると聞く。黒部五郎小舎へ泊まるつもりだったが翌日の長い行程を雨の中歩くのはしんどいと思い,思い切って太郎平(あわよくば折立)まで行くことにする。標準タイムと今の自分達の体力を考えて夕方には到着できそうだけど,黒部五郎岳から先は水場も小屋もなくとにかく長い。気合を入れて出発するも,水晶岳からの疲労もあり,なかなかペースが上がらない。私達(Fu,S)の倍以上の荷物を背負ってるテント泊装備のYの先頭をしっかり歩く姿に自分のトレーニング不足ぶりが情けなくなった。中俣乗越辺りで赤木沢から登ってきたグループと遭遇する。ガイドさんは映画「岳」で主演俳優に登山の技術指導をしていた山岳コーディネータの方だった。ミーハーなもので・・いま思うと握手でもしてもらえば良かった。ふと歩いてきたルートを振り返ると朝出発した水晶岳が真横に見えた。今回計画していた周回ルートの半周を一気に歩いてきたんだな,そりゃ疲れるわと実感。なんとか北ノ俣岳を越えるとあと少し。
雄の雷鳥は初めて、元気も出ちゃう
そんな時に雄の雷鳥が現れ,私達の前を歩き先導してくれる。途中砂浴びをしたりこちらを振り返ったりとかなりサービス精神旺盛な雷鳥だった。子連れの雌と違って警戒心が薄いのかな?そうしてるうちに小屋へ着き,食事をしていると急に土砂降り。翌日は雨に降られながらの下山だなと翌朝を迎えると・・なんと快晴。雨が降ると思ったので2日間で予定してたルートを1日で頑張って歩いた訳だけどまさか晴れるとは。最終日は時間がたっぷりだったので出発時間を遅めにして太郎平小屋恒例のラジオ体操を一緒にしてからのんびり下山しました。5日間行動中はずっと晴れ,山頂に行けばガスっていても晴れてしまう,目的の秘湯も2回も楽しめたし贅沢山行となりました。

2014夏 甲川(上の廊下)②

私にとっては初めての「上の廊下」。難しかったが美しい景色だった。
F2を突破したすぐの綺麗な所
①日時:2014.8.1(金)
②行先:甲川(上の廊下)
③メンバー:N,Mk
④行動記録:
入渓(08:05)→F1(08:30)→堰堤(10:05)→林道(10:35)
⑤行動概況:
やっととれた休みがNと合致し,今回の山行が叶った。
香取Pで待ち合わせ,上の廊下直下まで降りる。そこで幕営中のTと子供たちに出会う。F1の取り付きまでご同行いただき,突破の作戦を立てる。まず,右岸のテラスまで飛び込みで泳いで渡る。テラスに立って,渦巻く滝壺を眺め水流の弱そうなところを探す。流される前提で,少し上流部にめがけて飛び込みジャンプする。あとは必死にもがいて,なんとか滝の左岸にたどり着く。アンザイレンしていたNをロープで引っ張りあげる。私の役目はここまで。Nがトップで滝に貼りつく。右手をアンダーで支えながらフリクションを効かし滝の上部に手を掛ける。滑滝の上部はホールドになるものがまるでない。バランスを保ちながら,ゆっくりザックをはずして私に預ける。その中にスカイフックが入っているため,取り出しNに渡す。Nは強い水流の中に手を突っ込み探るが,スカイフックの先端が引っかかる凹凸が見つからない。下で立っているだけの私の足も,不安定な場所でふくらはぎの張りを感じてきた。
泳ぎは任せろ!登りは任せた!
時間が経つにつれ,腕に乳酸がたまり筋力も衰えてくる。私ならばこの時点で一度退却するか,一か八か薄い引っかかりに勢いで体重を乗せて,滑って転んで滝壺へ「ドボン!」となる。しかし,Nの強いところはここからなのだ。小三郎谷のF1を倒木を掛けて突破した時も,下の廊下のF3の突破の時もそうだった。ゆっくり時間をかけて,わずかなホールドを入念に探す。これだ!と思うものが見つかるまで安易に次の行動を起こさない。滝の水流の中に左足を入れる。水流に押されて足が上がらない。右手と右足に体重を預け左手で左足を持ち上げる。ハイステップで左足を持ち上げた滝の水流の中に,わずかなホールドがあったようだ。そのホールドに左足の親指を乗せ,玉乗りのごとく,慎重にバランスをとり「じりじり」と攀じ登っていく。この時のNの鼓動や息遣いが私にもしっかり伝わってきた。
最終堰堤に無事到着
そして今回も,一度も滑落することなく見事にオンサイトを決めた。Tとこども達も拍手で彼の姿を讃えた。はにかみながら,少し右手を上げ,応える彼の姿を誇らしく感じた。私は,Nにロープで確保してもらいながら引っ張り上げてもらった。F2は残置のスリング等に鐙を掛け上がるが,これも一苦労だった。鐙を3本使って必死の思いで攀じ登った。腕の力が無くなり少し休んでいる間に,鐙が滝の底に吸いこまれていく。必死で引っ張ったが3本とも滝壺に引き込まれて行った。こんなところに誤って足でも突っ込んだらと考えると震えがきた。F2の滝の上部はくれぐれも注意していただきたい。F3,F4ともに左岸の悪いところを慎重に渡り,無事に堰堤までたどり着いた。私がもたついたおかげで遅くなったかと思われたが,Nのリードのお陰で充実した「速攻の甲川」となった。