2014年1月29日水曜日

2014冬 大山北壁(弥山尾根西稜)

山に登り始めたころ,冬の大山に登る人がいることを聞き,驚いた。大山の冬山に登り始めたころ,北壁の断崖絶壁を登る人がいると聞き,これまた驚いた。ノーマルではない大山を一番よく知るYCCの門をたたき,たくさんの事を教えていただいた。そして念願の大山北壁弥山尾根西稜を最高の仲間と最高の天気に恵まれながら登攀することができた。
元谷を行く

①日時:2014.1.29(水)
②行先:大山北壁(弥山尾根西稜)
③メンバー:T,N,Mk
④行動記録: 
大山寺P(7:20)→元谷(8:10)→弥山尾根西陵取り付き(9:00)→縦走路(13:20)→6合目避難小屋(14:45)→大山寺P(15:20)
⑤行動概況:
YCCの備品よりビーコンを各自に配られ着用する。
スタカットで進んで行く
スノーバーもザックのサイドにくくりつけ,ハーネスを着用し準備OK!取り付きまで相当なラッセルが予想されたが,全く快適な雪道はつぼ足でも沈まない・・・私以外。元谷は氷が張った湖の上を歩いてるように幻想的な景色だった。二人は快適に歩いて行くが私は薄い氷をバリバリ踏み抜き,しまいには四足歩行で取り付きまで歩いて行った。
縦走路までもう少し
左から回り込み1ピッチ稼いでザイルを出す。トップはN,サードはMk,そしてセカンドのTはアッセンダ―を使って自由に動きながら我々の支点作りやビレイの取り方を熱心に指導して下さった。6ピッチほどスタカットで登り,その後3人ともコンテで稜線直下の雪壁を登って行く。アイゼンが踏み刺さる鈍い音,ピックが突き刺さる軽い音,雪壁の表面をサラサラと流れる小さな氷の音。
縦走路(次は烏ケ山南西尾根だ!)
普段は私の奥底で寝ている野生の五感をフル活用して,偉大な大山を感じ取る。全ての悩みや不安,吹き飛ぶような感動が心に湧き,山頂に近付くにつれ全身に満ちてくる。念願であった快心の北壁登攀を無事に終え,縦走路に抜けT,Nと固い握手で讃えあうと,感動が破裂して涙が出た。
「次は烏だね」Nがザイルを解きながら言ってくれた。Tは「スキーツアーに行こう!」と言って下さった。ザイルは解かれても,心はエイトノットよりも固く結ばれていると感じた素晴らしい山行となった。 

2014年1月26日日曜日

2014冬 大山冬山パトロール(夏山登山道)

25日の出発式
今週YCCがパトロール当番だったので行ってきた。25,26日連続参加する I のために,いつもの山小屋をT に提供してもらい,私は前泊で参加することができた。
①日時:2014.1.25(土),26(日)
②行先:大山(夏山登山道)
③メンバー:
25日(土)T,N,Mt,I,警官2名
26日(日)Y,E,Mi,I,警官2名
④行動記録:
25日(土)駐在所→頂上避難小屋→駐在所
26日(日)駐在所→6合目避難小屋→駐在所
25日の頂上避難小屋風景
⑤行動概況:
26日参加の私は,交番に行く前に大山頂上方面がクッキリ見えたので,今日は穏やかな天気で問題なく頂上まで行けると思っていた。しかし,2合目を過ぎたあたりから,雪が激しくなり4合目を過ぎると風も強くなってくる。6合目に着いた頃には,その先にトレースはうっすらとしかなく,ホワイトアウト状態。それでも頂上を目指そうと避難小屋の中でアイゼンを履き,外に出てみると上に行ける状態じゃなかったので引き返した。交番に帰るころには更に吹雪になっていて,引き返して良かった。と,確信した。それにしてもよく降る雪だ。車の上に20cm以上の積雪で駐車場からの脱出に30分もかかってしまい,下山してからも疲れてしまった。

2014年1月25日土曜日

2014冬 三瓶山①

代表Sから山行記録が届きました。
頂上小屋
①日時:2014.1.23(木)
②行先:三瓶山
③メンバー:S(単独)
④行動記録:
登山口(9:58)→女三瓶分岐点(10:53)→(14:42)頂上(15:18)→女三瓶分岐点(16:02)→登山口(16:26)
⑤行動概況:
いつものことながらどこに行こうかと今日も悩んだ。30年ぶりの厳冬期の三瓶山があると思い境港経由で三瓶に向かった。
小三瓶方面
掛合・吉田まで松江道路,54号線経由,8時30分三瓶北の原に着いた。三瓶自然館への挨拶,三瓶少年交流の家に向かった。事務所に挨拶と登山する旨を伝え出発。北の原登山口9時58分,最初は登山道に入らずスキーツアーコースを行く,名号の松からの合流点から自然林に入り,登山コースに沿いながら歩を進めた。体が重い,首が痛い(頸椎ヘルニアのためか?),10時53分女三瓶・男三瓶山の分岐点に到着。積雪は1m以上はある。 
女三瓶を見る
ここから登山コースは頂上まで直登のみである。ブナ林帯を直登すると全面にはトレースもない,あるのは野ウサギ,時々狐などの足跡もある。だんだん傾斜がきつくなってくると一歩前進半歩後退の状況が続いた。さらに傾斜がきつくなるとわかんで歩くように匍匐前進である。だんだんと尾根が狭くなってくるが高度計を見るとそんなに上がっていない。さらにもがき苦しみ頂上間近の狭い尾根になり最後のブッシュをかき分けて頂上台地,頂上小屋の横に出た。頂上は誰の足跡もない。女三瓶側の小高いところで頂上と小屋を眺めながら小休止とした。14時42分到着。小屋の前を通り頂上へ,ここから北の原方面,室ノ内,女三瓶方面を眺めながら15時18分頂上を後にした。当初の女三瓶経由は登頂時間がかかりすぎたため同ルート下降とした。後は自分のトレースを辿りながら女三瓶との分岐点に向け下降を続けた。テレマークのようにスノーシューで滑りながら下降し分岐点到着16時02分,ここからは傾斜が穏やかのんびり歩行となった。自然林からスキーツアーコースに出ると小さな子供たち(幼稚園児)が歩くスキーを楽しんでいた。登山口まで一緒に歩き16時26分に下山した。
フリークライミングボード(体育館1F)
ボルダリングボード(体育館2F)
青少年交流の家に下山報告しスキーの幼稚園児の話をしたら30年のギャップを感じた。小さい子供たちもスキーを楽しめるように準備を進め研修生として受け入れているとのこと,変わったな。あと体育館のフリークライミングボードなどを偵察し,施設側に鳥取県山岳協会も無条件で利用できるように折衝を開始している旨と今後のことをお願いして帰途についた。

2014年1月20日月曜日

2014大寒 野田ヶ山BC

子供のころから,楽しいことの前の日は寝れないことがある。昨日はほとんど寝ていない。今日の山行が楽しみだからか?もちろんそれもあるが,不安で仕方なかった。今年の大山は夏山登山道でも雪崩が起きるくらい積雪量が多い。しかも,この日の予報は正午過ぎから雷雨の恐れあり。1月の終わりにしては,気温も高く,風も南風である。
YCCの先輩方が前日,大休峠まで6人でスノーハイクされたようだ。そのトレースはおそらく,大休峠への高速道路となっていることが予想された。めったに使わない頭を使って考え,雷雨になる12:30までに香取に戻る計画でリベンジの野田ヶ山に向かうことにした。
輝く三鈷峰

①日時:2014.1.20(月)
②行先:野田ヶ山
③メンバー:Mk(単独)
④行動記録:
香取上部(7:30)→甲川分岐(8:20)→大谷下降地点(9:10)→野田ヶ山(10:20)→大谷下降地点(11:00)→甲川分岐(11:45)→香取上部(12:20)
⑤行動概況:
「前の晩に寝れないと次の日は晴れる」これは「Mkあるある」だが,今日も天候の不安はよそに晴れた。昨晩は風が強く,着雪もなかったようで,雪が締まっている。YCCの先輩方からプレゼントしていただいたトレースも,予想通りの高速道路になっていた。
甲ヶ山と矢筈ヶ山
爽やかな香取の夜明け
前回2時間以上もかかった甲川分岐まで,1時間切る目標で行くが,あまりにも素晴らしい景色についつい立ち止まって写真を撮ってしまう。香取から,輝く三鈷峰が見ることができた。時間短縮のため,走ってみた。そう,山スキーは走れる。ズブズブはまるラッセルのときは無理だが,締まった雪の上は面白いほど走れる。快調に飛ばし,大谷を下降した時には,まだ,2時間経っていなかった。大谷を上がり,左に巻くように野田ヶ山の稜線に出て,青い空を眺めながら,また,ゼエゼエしながら上がっていく。あらかじめ決めていた野田の上部まで上がって,そこでシールをはがし,一気に大谷まで下降した・・・となればかっこいいが,何回も藪につかまり転倒し情けなくなる。今日のスキーでの収穫は起き上がるのが上手くなったことぐらいだ。甲川分岐を越えて林道を滑っている途中にポツポツと雨が降ってきた。香取について用具を車に押し込み,夢の湯に浸かって出てくると,大雨が降っていた。今日の雨と南風で,雪はかなり締まっていくのではないだろうか?雪が締まっていくと,楽しみがまた変わってくる。
今年は,初の北壁にトライしてみたい。先輩方,御指導のほどよろしくお願い致します。
野田のアレート
空へ続く野田ヶ山の稜線


2014年1月19日日曜日

2014冬 大休峠

昨日の遭難騒ぎで,今日の山行も危ぶまれた(昨年は深夜に及ぶ捜索となり翌日の山行が中止になった)が,全員無事でめでたし,めでたし。
今日のスノートレッキングは最適なコンディションになった。雪上登攀とは違いスノートレッキングは雪はあればあるほど面白い。いいオジサンが子供のように雪よ降れ降れと前日から願ってました。特に大休峠まではスノートレッキングに最適なコースだ。
白と灰色の世界,トレースの無い雪原,どこを歩いているのはわからない不安,自分の歩く道が道になる不思議,変化する地形と天候,それに伴う不安と安心,大休峠避難小屋を見つけたときの喜び,こんなところをメンバーに楽しんでほしかったけど,どうだった?
いざ出発
①日時:2014.1.19(日)
②場所:大休峠
③メンバー:T,I,E,Kw,Y,会員外(W,O)
④行動記録:
往路(4時間4分)
香取上部(7:45)→甲川分岐(9:23)→大休峠避難小屋(11:49)

復路(山スキー1時間29分,その他2時間)
大休峠避難小屋(13:00)→香取上部(14:29 and 15:00)
⑤行動概況:
大休峠避難小屋
昨日の雪崩遭難の件もあり,各自ビーコンをセットし,山スキー1,スノーシュー5,ワカン1で出発,雪は多く,湿雪ではないが雪は少し重く,山スキー,スノーシューでも膝下まで潜る。Kw曰く「雪に潜る程度をつぼ足を10としたら,ワカン8,スノーシュー5,山スキー2」らしい。
とりあえず甲川分岐までウォーミングアップ,ワイワイガヤガヤ言いながら揃って行動した。7人もいれば,後ろに回ると楽だ。HPに書いた手前,山スキーのぶっちぎりの機動力を見せようと先頭を歩こうと思ったが,きついのでやめた。
大休峠避難小屋入口の雪の状況
年を考えないといけないね。
深雪も早めのトップ交代で快調に進む。
甲川分岐からは,無線も用意したので,スノートレッキングを楽しんでもらおうと,健脚組,そうでない組で別れて大休に向かおうとも考えていたが,みんな健脚なので,大休峠まで離れることはなかった。
スタートから甲川分岐まで1時間38分,大谷通過まで3時間22分,大休峠まで4時間4分,こういう雪の状況にあってなかなかのタイムだ。7人もいるからかなぁ?
大休峠避難小屋の入口は雪で埋まっており,雪をかき出し,中で昼食,大休止。
YCCは同じ道で帰らないという無茶な話も出たが,帰路は作ったトレースを忠実に辿り,スタート場所に帰着した。
Mkが明日,大休峠に行くとのこと。トレース残っているけど,楽しんで来てね。

2014年1月17日金曜日

2014冬 機上から見る富士山

機上から見る富士山(1/10)
明日は弥山尾根を計画するが,パートナーが無く諦めました。あっちこっちメールしましたが・・・
私には人望がないのかと思ったりもします。明日の天候を考えるとパートナーが無かったのはよかったかもしれません。それでも近くまでは雪遊びに行って来ようと思います。明後日は覚悟しててね。

コーヒーブレイク!
先週の3連休,山には行かず,山と同じくらい時間を費やしている仕事 or 趣味?で北海道に行きました。米子から羽田への道中,機上で撮った富士山です。

2014冬 金ヶ谷山

代表Sから山行記録が届きました。

ようやく念願の2年越しの金ヶ谷山に行く機会を得た。16日朝,鯛の巣,金ヶ谷山かと迷ったが2年越しを優先して金ヶ谷山単独行を決行した。
本日の山行は長い林道に苦しめられた1日ではあったが,歩き通したことに満足感,充実感の残る山行でもあった。
金ヶ山 登山口
①日時:2014.1.16(木)
②行先:金ヶ谷山
③メンバー:S(単独)
⑤行動概況:
蒜山インターから新庄村へ,野土路トンネルを越え山の駅へ。山の駅発9時55分,登山口から林道経由でスノーシュートレックを開始し,金ヶ谷山まで3キロの標識を見ながら進んで行った。
積雪は50から100センチ,林道経由は傾斜が少なく負担は少ないが距離が長い。途中間伐した切り株を活用した仏像が4体あった。
行動はただただ単調である。後1キロの案内標識でちょっとおかしいなと思った。1キロでは頂上までが近すぎる。林道を3キロほど進むと金ヶ谷山登山口の標識があった。
金ヶ山 道標
最初の3キロに化かされた感じで,登山口から頂上への派生尾根を上って行くのである。天気は,小雪,曇り,晴れとよく変わる。見えるのは黒と白の世界のみである。13時36分,金ヶ谷山から毛無山への縦走路の合流点についた。
単調な登り14時18分,頂上到着した。展望はなし,朝鍋鷲ヶ山方面を下降路とし向かうが視界が悪く,確認が難しいため往路で下降することとし,バックして下降を開始した。登山口14時45分,山の家(林道入口)16時29分に帰着した。
⑥後記:
昨年の朝鍋鷲ヶ山経由のコースも長い林道,今回は山の駅から派生尾根を登ろうとしたが結構急峻と体力の点から林道コースを選択したが3キロの道のりはやはり長い。毛無山~金ヶ谷山は,冬期の縦走もおもしろいし,山スキーが活用できるコース設定ができそうだ。但し,冬山に活用されない山域は,ルート表示のマーキングがほとんどなく,下降路の時はルート選択が非常に難しい。冬に人が入らない山は,紅葉山行を兼ねてマーキングを行い冬期の安全を期す必要があると思った。

2014年1月15日水曜日

2014冬 比婆山

池ノ段展望台
Iが比婆山に行きたいと言うので,ワイワイ行けるメンバーとパウダースノートレッキングに行ってきた。
①日時:2014.1.13(月)
②行先:比婆山
③メンバー:Y,E,Mt,Si,Sa,I
④行動記録:
登山口(8:37)→池の段分岐(11:45)→越原峠(13:05)→登山口(14:10)
⑤行動概況:
前日までの寒波で雪が道路に積もっていて,登山口までは通常より時間がかかり8時過ぎに到着した。歩き始める前にルートの確認をしたつもりだったが,最初の標識を見落として気が付いた時にはスキー場が右手にあり,いきなり間違えたことに気付いたが,コース変更して進むことにした。これが,今回の山行の1番のミスだったかもしれない。越原峠を目指すが,ルートの途中スマホのGPSで確認すると南下してしまっていたので,池ノ段分岐を目指すことになる。無事に池の段分岐に到着すると一瞬晴れ間があり立烏帽子山を見ることができて感動した。樹林帯まで下りて昼食を摂った後に比婆山を目指すが,またもルートを外す。比婆山に今日は帰れ!と言われているようだったので,下山することにした。下山はルートを外す事無く,順調に歩き駐車場に帰着した。
⑥教訓:
・最初に決めたルートを確実に歩く(安易にルート変更しない)
・スマホの予備バッテリー必須(Mtのモバブーが無ければヤバかった)
・無雪期の登山道をしっかり把握してから雪山に挑戦する(これが1番大切かも)
見逃した道標
ラッセル隊長Mt

2014年1月14日火曜日

2014冬 野田ヶ山(大谷源頭部)

いくら歩いても風景が変わらない。誰のトレースもなく,動物たちの鳴き声すらしない。黙々と歩きだすごとに,荒くなる呼気と鼓動。見渡す限りの続く白い静寂の中に,温かいぬくもりを持つ生き物が,自分の他に存在しないことを意識した時,人は何を想い,何を感じるのであろうか。そんな冒険的な経験が出来るのが冬の大休峠だと思う。Tより野田ヶ山のピークを経由するルートの提案があり,地図を広げイメージを膨らませた。「よし,行ける!」と確信し,勢いよく出発したのだが・・・
ブナの木ではなくミズナラでした。
①日時:2014.1.13(月)
②行先:野田ヶ山経由大休峠
③メンバー:Mk(単独)
④行動記録:
香取上部(7:50)~甲川分岐(10:10)~大谷(12:20)~大谷源頭部(13:50)~大谷(14:20)~甲川分岐(15:30)~香取上部(16:20)
⑤行動概況 :
Webで登山計画書を提出し,代表SとT,そして地元の先輩Aに,シリアルナンバーと17:00までに下山する旨を伝える。
ロマンティックに感じる林道を行く
香取を出てしばらくすると,スノーシューのトレースが,うっすらと現れる。おそらく,この連休中についたものともと思われるが,ほとんど消えている。スキーを履いているにもかかわらず,新雪は膝近くまで沈む。降り続ける1月の雪が,ハードな試練を,私に与えようとしている気がした。甲川分岐にたどり着いた時,まさか2時間以上もかかっているとは思いもしなかった。
前回12月に来た時には1時間10分,倍以上もかかっている。自分の中では,かなり急いで歩いているつもりだった。この調子だと「野田ヶ山は無理かもしれない」と頭をよぎった。それでも,なんとか大谷まで,速度を上げていく。汗で,ジャケットも,パンツもびっしょりにしながら,香取を出発すること4時間半,大谷に到着する。
どこかわかりにくいが大谷源頭部
あと,1時間30分で,野田ヶ山だけは行きたいと思い,大谷の沢を,野田ヶ山に向かって上がる。沢の中は,余計に積雪が深いため,左の斜面を少し上がったところを,トラバースしながら進んでいく。野田ヶ山のピークは,急な斜面の上に見ることができる。いつもなら何ともない高さだが,この日はとてつもなく高いピークに見えた。大谷から歩き続けること1時間半,ようやく,なだらかになった大谷源頭部に到着した。一泊分の装備も持っているし,体力も気力も,十分残ってはいたが,17:00までに下山する旨を伝えていたため,時間切れの下山を決断した。スキーからシールをはがし,いつものようにカフェオレを飲んでいたら,指先がジンジンしてきた。ザックのストラップ,カメラのストラップ,オーバーグローブでさえも,カチコチに凍っている。おそらく大量にかいた汗が凍り始めたのだろう。この状態のまま,山中で一泊ビバークでもしようものなら,さぞ,涼しい夜を過ごすことになっていたと考えると,あの決断は正しかった。と,自分を慰める。帰りは,水分不足で太ももが何度も攣りながら,へぼな滑りで,3時間かけて香取に到着した。野田ヶ山,大休峠に行くことができなかったが,充実したハードな山行であり,悔しいので,撤退の文字は入れなかった。今シーズン,このルートは様々なアイデアで必ず達成させようと思う。

2014年1月13日月曜日

2014冬 大山(桝水~一ノ沢)

12月中は色々と忙しく山行に出られない日々だったが,1月になり週末の休暇をゲットできたのでMt,Kwの2名で一ノ沢をやってきた。
桝水ゲートから一ノ沢の入口まで,結構遠いね・・・
冬季閉鎖の道路を進むMt
   ①日時:2014.1.12(日) 
行先:大山(桝水~一ノ沢)
メンバー:Mt,Kw
行動記録:  
 桝水ゲート(9:30)→一ノ沢入口(10:50)1340m地点(13:40)→桝水ゲート(15:40)
⑤行動概況:
本来はもっと早い時刻からスタートするべきだろうが,仕事と移動の都合上,なかなかそうはいかない。どうにかこうにか9:30に桝水ゲートを出発することができた。 桝水ゲートからは既にトレースが付いていた。一ノ沢入口まではツボ足で行けるだろうと踏んでいた我々はツボ足でスタートし,スノーシューのトレースを使わせて頂いた。スノーシューのトレースは真っ直ぐに延びていて,結局そのトレースは一ノ沢入口まで続いていた。気温も然程低くなく風もほとんど無い状態であり,スノーハイクにはうってつけのコンディションだった。
スノーシューのトレースを頂きながらつぼ足で進むが,あちこちでヒザまでズボッとはまる。そうなると次の1歩もズボ,次もズボ・・・これは『雪山あるある』だろう。いつもそうだ。そうするうちに一ノ沢入口へ達したのだが,Kwだけインチキをして途中でスノーシューを装着していたことはナイショである。
深雪に難儀するKw
ことのほかアプローチに時間を要し,計画を立て直すこととした。我々の力量と狙う帰着時刻から14時をタイムリミットと決め安全に行けるところまで行くことにした。
一ノ沢横の作業道から入り黙々と高度を上げる。スノーシューのヒールリフターは素晴らしい発明だと思う。グイグイと斜面を押し上げてくれる。直登ドンと来い!と思ったのも1000m付近までで,斜度に負けジグザグ登行に切り替えて更に高度を上げる。


撤退の合図 『×』
樹林帯を抜けると風の吹きつけが強くなり,冬季の大山らしくなってきた。高度を増す毎にエビノシッポが大きくなり,氷のツブが顔を叩いてくる。
1340m付近まで上がったところで,スノーシューからアイゼンへ,ストックからピッケルへといった状況になってきた。降雪量が増えてきて下りのトレースを見落とす心配があった為,今回はこの地点で引き返すこととした。
食糧長Mtが用意した昼ごはん




引き返すと決まると黙々と下ることになる。風の穏やかな樹林帯で食事を摂り,往路を返した。

⑥その他:
『MtとKwの雪山あるある』
・1度踏み抜くと,次の足も踏み抜く
・雪山を歩くとブーツがキレイになる
・電子機器の電池残量がすぐに減るが下山したら何故か復活している

2014年1月7日火曜日

2014新春 西毛無山~毛無山~白馬山

Tから山スキーを譲り受けたので山スキーの練習に歩いてみようと計画したが,中途半端にシールのメンテナンスをしたので接着が悪くなり今日の山スキーはダメになってしまった。(ごめんなさい)山スキーに参加表明のOには申し訳なくスノーハイキングによる山スキーの下見となりました。
鞍部から毛無山
①日時:2014.1.7(火)
②行先:西毛無山~毛無山~白馬山
③メンバー:N,O
④行動記録:
田浪登山口P(9:20)→西毛無山(11:05)→毛無山(11:45)→白馬山(12:40)→田浪登山口P(13:20)
⑤行動概況:
登山口からスノーシューで西毛無山へ続く稜線へ向けて,小さな尾根を真直ぐに高度を上げていく。
西毛無山標識
尾根に出るとトレースはなく稜線まで急登が続きスノーシューのヒールアップが力を発揮する。なんとOはスノーシュー初体験と言うことでしたが,もちろんアトラスのスノーシューを準備してきていた。稜線が近くになるにつれ景色が最高で2人で写真を撮りまくり足が止まることが多くなる。
Oより一回り近く歳を重ねた私には,写真を撮る時が休憩となり息を整えられるので,どんだけ写真を撮るんだってくらい撮りました。
歩いてきた西毛無山
稜線に出てからも西毛無山から毛無山までの間もとにかく景色に見とれながらの歩きとなりました。山スキー・ボードのゲレンデとしても滑ってみたいと思えたので,次にリベンジしようと思います。毛無山山頂からはしっかりとしたトレースがあるので,スノシューを外しての歩きでした。そして,なぜかここからは2人とも写真を撮ることが少なくなる。毛無山でこんな晴天に恵まれたことがないので,まさしくこれは今日初めて一緒に歩いてくれたOのおかげではないかと思います。
晴れ男と息一つ切らさないOの今後に期待です。

2014年1月3日金曜日

2014新春 毛無山~白馬山

奥深い大山の藪をかき分け,真っ白な雪原をラッセルし,誰もいない山頂に一人たたずむ。そして,ひっそりと自分のトレースを残し,帰りを待つ家族のもとへ必ず帰る。私の体験したYCCでの山行は,常に「登山」に対するタクティクスの確立を要求される。心の底から楽しい,しかしそこには笑顔はない。そして私もそれを望んでいない。体力の限界の中にある苦しみが,楽しみに変わる瞬間を感じた時,人は山の魅力に虜になってしまう・・・しかし,正月くらいは,心底楽しいだけの山行もいいかも?と一眼レフを首に掛け,スノーシューを履いて,満面の笑顔でスノートレッキングを楽しんできた。
晴天に感謝しながら出発
①日時:2014.1.3(金) 
②行先:毛無山~白馬山縦走
③メンバー:Y,E,I,Mk,(会員外)Hs,Na
④行動記録:
田浪登山口P(07:20)~毛無山山頂(09:20)~白馬山(10:40)~田浪登山口P(11:40)
⑤行動概況:
息の合うY,EそしてHs
田浪の登山口は積雪は30センチ,ガリガリした雪質であったが,この日は気温も高くなりそうだ。雪質が柔らかくなると判断し,スノーシュー3人,ワカン3人で快適な登山道を出発した。先行のトレースがあるが,GPSを確認し進路を決めていく。山頂に近づくと斜度は急になってくるが,素晴らしい晴天の為,苦にならない。この日の為に,晴れ男,晴れ女を集めてきた甲斐があった。

この日はスノーシューが活躍した
今回の縦走ルートは,毛無山から登ることに意味があった。冬の毛無山は初めてのメンバーばかりだったので,あえて展望のきかない 方から登り,山頂に立った時に,「バーン!」と大山が目に飛び込んでくるシチュエーションを考えてみた。作戦は成功し,メンバーみんなが満面の笑顔で喜んでくれた。白馬山までの縦走路を歩きながら,大山を眺め続け,めったに見せない穏やかな大山の山容に,皆,心を奪われていた。まさに,初春ふさわしい最高の山行きとなった。
*帰りにみんなで、蒜山の国民宿舎でバイキングを腹いっぱい食べ,お風呂に入って帰った。蒜山が見渡せる展望風呂と,エビ尽くしのおいしいバイキングはおススメである。
メンバー全員で記念撮影

2014冬 大山(剣ヶ峰)

HPの山行案内には実践講習と書いたが,自分自身のトレーニングにいい山行だった。つぼ足,ワカン,アイゼン,ピッケル,ロープワークとそれなりに充実した実践講習になりました。
参加者がなく単独だったら,天狗ヶ峰で引き返していただろう。同行してくれたパートナーNに感謝している。
元谷から剣ヶ峰まで,トレース無し,人に会うこと無しの静かなそして,ちょっとスリルのある山行でもあった。
縦走路まであと少し
①日時:2014.1.3(金)
②行先:大山(剣ヶ峰)
③メンバー:T,N
④行動記録:
大山寺(7:13)→上宝珠越(9:30)→縦走路(10:30)→剣ヶ峰(12:18)→大山寺(14:30)
⑤行動概況:
晴天の中,大山寺をスタートする。ロープは私より若いNに持ってもらうが,登攀具一式をザックにつめるといつもより重いねぇ。
縦走路(右上が天狗ヶ峰)
8時頃には元谷に到着する。急いでいるわけでもないのにNと行くと速くなる気がする?
北壁は新雪直後のように真っ白で綺麗だ。目を凝らすと,別山尾根に取り付いているパーティを確認する。弥山尾根にはいないようだ。
元谷からトレースはなくなり,Nはスノーシュー,私はワカンで上る。上宝珠沢からいつもの斜面をラッセルしながら宝珠尾根に出る。宝珠尾根にもトレースはなかった。
やっと着いた剣ヶ峰

上宝珠越からは,アイゼン,ピッケルで縦走路を目指す。雪も適度に締まり,快適に上がることができた。縦走路は風があるが,晴れていて気持ちがいい。
天狗ヶ峰あたりから,雪屁が発達しているのと反対側の斜面は時々表層の雪がすぱっと切れるので気持ちが悪い。気休めに?ロープ,登攀具を取り出し,コンテ,スタカット交えながら進む。こういう時,パートナーがいるので安心だ。
剣ヶ峰の標柱を写真に収めたかったが,雪の下だった。大山頂上あたりに見える登山者に手を振ってから,下山を開始した。
当初の計画はユートピア経由だったが,早く帰りたく上がってきた道を辿り,帰着した。