2016年2月28日日曜日

2016冬 烏ヶ山西ルンゼ:冬期バリエーション

積雪期に人があまり行かないルートをやりたいと思い,いくつか候補を考えた。その中でも烏ヶ山西ルンゼは,積雪期の記録があまり無かったのと,見るからに楽しそうなルンゼなので,Mtを誘って行って来た。
① 日時:2016.1.27(土)
② 行先:烏ヶ山西ルンゼ(左岸のリッジ)
③メンバー:Mt,Mr
④行動記録:
エバーランド(7:45)→取り付き(10:20)→グローブ岩横(11:43)→山頂(14:30)→エバーランド(17:15)
青:予定していたルート 赤:登攀したルート
⑤行動概況:
取り付きまでは雪も程好く締まり,ツボ足でぐんぐん距離を稼いでいった。結局用意したスノーシューはほとんど出番の無いまま取り付きに辿りついた。(後にこのスノーシューが非常に我々を苦しめる事になるとは・・・)
ここまで順調に来ていたが,いざルンゼを登攀しようと取り付いてみると,一枚岩のスラブにサラサラの新雪が薄く乗っているだけで意外と緊張を強いられる登りの上,ランニングを取れるような潅木も全く無い。
また雪質が雪崩れそうな感じになってきたのでルートファインディングした結果,左岸のリッジに取り付いた。

グローブ岩直下までは快調だったが・・・
藪漕ぎで奮闘系登攀となった
 このリッジがなかなかの藪登攀と新雪で非常に手こずらされた。ザックにつけたスノーシューが藪に引っかかり,なかなか進めない。行く手を阻むスノシューに2人とも辟易しながらも登攀を続けるも,2ピッチ目ぐらいから次第に風雪が強まり,ガスで視界も遮られてきた。藪と奮闘しながら登攀5ピッチで山頂にダイレクトに出ることが出来たが,この時点で時間はギリギリであった。
それでも風を凌げる岩裏で行動食と飲料で一息入れ,南西尾根に向けて出発した。この頃には視界はほとんど無く,風もどんどん強まり気持ちにやや焦りが出始める。途中完全なホワイトアウトだったので,GPSと地形図&コンパスを駆使しルートを外れないように注意しながら進んだ。
途中,南西尾根をそのまま行くよりも,木谷に降りて朝のトレースを踏んで帰った方が早いと判断し,木谷へと下降を開始。そのままぐんぐん支谷を下りトレースに合流し一安心しスキー場へ帰着した。

ラッセルに藪漕ぎに雪稜といかにも日本のアルパインクライミングといった山行になった。もう少し雪が多く降った年の雪が硬く締まった時期にダブルアックスでルンゼをダイレクトに登ってみたい。
ガスの切れ目からチラリと南峰が見えた

4 件のコメント:

  1. 冬季の西ルンゼ面白そうだね。上部は雪がガッチリつかないのかな。
    南峰とのコルから降りたと思うけど,ホワイトアウトの中の下降路探すの大変だったでしょう。南西尾根は見つけにくいし,懸垂下降もあるし,木谷経由が楽かな。
    昨年と同じ頃,同じ場所から大山を眺め,山に向かう若人に思いを馳せる。今年は羨ましさもなく,ワクワクする山,してほしいと思っている。

    返信削除
  2. ルンゼ横にベルグラの張った、山頂まで抜けれそうなガリーがあって、条件が良ければそちらの方が面白そうでした。
    下降ではMtのGPSが大活躍でした?

    返信削除
  3. 今朝のラジオで「この日大山夏道で強風とホワイトアウトのため下山出来なくなったパーティが救助要請」と。同じ頃急峻なバリエーションで戯れていたのですね

    返信削除
  4. 先日はありがとうございました。
    登攀中はロープワークなどでもたつき、予想以上に時間がかかってしまいました。
    その結果、Mrに「おんぶに抱っこ」な山行であり、パートナーとして役立てなかったので非常に情けなかったです。
    ただ、やってみたいバリエーション登山を体験できたので有意義なものとなったことも事実です。
    これからもこのような経験を積んでいきたいと思わせる充実した山行でした。

    返信削除