2016年6月27日月曜日

2016夏 寺ヶ谷川(てらがやがわ)

初心者歓迎で募集をしたが,結局おなじみのメンバーなので,最近お気に入りの泉山水系の寺ヶ谷川をイケイケで攻めて来た。
①日時:2016年6月27日(月)
②行先:寺ヶ谷川
③メンバー:Mk,Ad,Mr
④行動記録:
寺ヶ谷林道終点(8:50)→2段15m(9:04)→15m(10:30)→寺ヶ谷滝30m(11:00)→寺ヶ谷滝上部(13:45)→寺ヶ谷林道(15:10)
⑤行動概況:
泉山の沢は堆積岩で高低差があり,水量もそこそこで以前から気になっていた。
前回,雰囲気をつかむ為に,ヒビラ川と中林川を遡行し,島根や大山周辺ではあまり見ない渓相で,水量と滝の多さに一気に虜になってしまった。
そして,今回最も多くの滝と水量を誇る「寺ヶ谷川」を遡行することに。
本流の香ヶ美川は先日のまとまった雨で,結構なハイウォーターである。
下山口の中林登山口に車をデポし,寺ヶ谷林道を詰め入渓。水量は通常より30cm程は多いだろうか。前回フルウェットで甲川を攻めたAdは,今日はただのつなぎ。ケイビングスタイルである。
F1・2段15m 美瀑
入渓後すぐに2段15m滝が現れる。黒い岩肌に白い水流が映え,美しさにしばし見入る。
2段目は難なく登り,1段目は安全のためにロープを出す。登攀ライン上を勢い良く水が流れ落ち,水圧と視界の悪さで意外と登りづらい。
セカンドはAd。果たしてケイビングスタイルでこの極寒のシャワークライミングを耐え抜けるのか!!・・・・・耐え切れなかった(泣)。

寒さと水しぶきがメガネに掛かって視界不良が敗因でした。
今度来る時はウェットと度付きゴーグルは必須アイテムである。 続いてMkはあっさりと登りクリア。高度感がそこそこあり楽しめた。
その先にも白く流れる帯状の滝がずっと続いているのが見え,メンバー一同期待感が隠し切れない。
その後現れた15m斜瀑は直登出来そうだが, 水圧が凄まじく入ったらカタパルトよろしく吹っ飛ぶこと必至なので、横を登る。


15m斜瀑を上から,水圧凄い
斜瀑を登りきると藪の切れ目からチラチラと巨大な白い壁が見える。あれが噂に聞く「寺ヶ谷滝」か。。。今回の核心(ラスボス)である。
核心に相応しく近くで見るその大きさは圧迫感を覚えるほどである。また水量が多いこともあってその美しさは神々しく,近くに社と修験者用の潰れた篭り堂が在るのもうなずける。
感嘆の声をあげつつも,この時私は心の中でこう叫んでいた。「デカイよ!ヤバイよ!多いよ(水が)!」
冷静さを装いつつ,ルートを確認する。中段にテラスがあり,そこから右岸側の本流直登ルート と左岸ベタの草付きルートが行けそうである。
とりあえず中段まで登ってそこで考えましょうということになり,早速トライ。
「違う・・・岩が今までの岩じゃない・・・」
ここまではどちらかというとエッジのある掛かりの良い岩質だったが,水によって磨かれた滝は意外と丸く,水流もあって中々1歩が踏み出せない。
これがほんまのシャワークライミングやぁ!
中段まで登ると,下から見るとフラットに見えたテラスも斜めで足場は良くない。この時点で右岸直登コースは消えた。左岸ベタへ移動するがここも,水流と寒さで中々安定したランニングが取れない。何とかハーケンを打ち込み草付横の洞窟(?)でビレイポイントを作成しホッと一息。MkとAdも登攀し(寒くなる前に登りきる作戦のAdは,中々のスピードクライミングを見せてくれた),ビレイポイントで合流。興奮を分かち合う。


草付(通称:野菜畑)を登攀する
中段からの草付もズルズルで案外悪く,手がかりを探す為生えている ウワバミソウやらシシウドを引っこ抜きながらよじ登る。

25m登ったところで,樹林帯に出たのでそこでビレイし後続の2人も見事完登。
滝の上部に出た時点で,タイムアップギリギリ。とても尾根まで出て車のデポ地には行けそうにないので,14時半には下山開始を決めて続行したが,ひどい倒木でゲンナリきたので,早めに下山開始。管理道やら獣道やら使い,15時過ぎには入渓ポイントへ帰着した。

今回は水量がかなりあって,事前に調べていた難易度より高かったが,怪我なく無事登り終えることが出来たので大きな自信となった。
ただロープの流れを考えたランニングを構築できなかったのは,今後の課題である。
寺ヶ谷滝の上にはもう一つ巨大な滝があるので,次回はそこも登って是非,泉山のピークを踏みたいと思う。
沢野郎の皆様のご参加お待ちしております!!

3 件のコメント:

  1. 今まで登った全ての滝が、私の記憶の中で霞んでしまった。寺ケ谷滝の約3時間に及ぶ激闘。Mrのリードは素晴らしかった。これぞ、アルパインクライミングであると思う。メンバーの誰もが壮大な滝に、心が負けてなかった。今回のポイントは、Mrの前進力はもちろんだが、自然の迫力を凌駕する気迫が、メンバーに漲っていたことが大きな勝因かと思う。素晴らしい思い出となって、これからの人生を支えてくれると思う。心から感謝です。ありがとう。今回、YCCの会装備からカムを借りた。スピードも安全性もバッチリ。重要な必要性を感じた。

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  2. 30mの寺ヶ谷川滝,迫力あるな。Mkが今までの滝が霞んでしまうと言うだけの事はある。
    こんな滝登るのが本当のシャワークライミングと言うのだろう。
    甲川しか知らない私にとって羨ましい沢登りだ。きっと日本には魅力的な沢たくさんあるのだろうな。
    沢の魅力を会員に教えてあげてほしい。そしてもっと沢野郎(女)が増えればと思っている。
    私も気持ちだけは沢野郎でいたいと思っているが…

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  3. 洞窟内ですが、二十歳の頃は登れるルートは全て自力で登り降りできていた。

    あの頃から30年弱、体力は落ちているが、YCCのメンバーと出会い気力は落ちていない。

    少し減量して登攀能力を高め、足を引っ張らないようにしたい。

    次回もよろしくお願いします。

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